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Description
Spirited Trail
通りものの路

80x180cm, 2011
Oil, acrylics and cotton on panel
Private collection

Photo taken by MIYAJIMA Kei

テレビのワイドショー登壇者の発言などを聞いていると、現代には世の中の全ての物が人の管理下にあり、便利さのためには何でも人の都合の良いように加工されて然るべきとの考えを持つ人が少なくないらしい。しかし柳田国男の「山の人生」のうちの一章、「山人の通路のこと」によれば、日本の山中で働く人々の間には、一見山間を往き来するのに非常に便利そうに思われる道でも、夜中に必ず怪事があるとか、それは山鬼の路や通り物の路であるなどと言って、努めて通らぬようにする習慣があったという。実際に原生林や山腹を歩いていて突然感じる妙に生ぬるい空気や、耳鳴りがするほどの静けさ、聞き慣れない音などがそのような行動のもとになっているのかもしれないが、それだけ人々はこの世界に自分たち以外の、見ることもできないものの存在さえも意識して、絶えず配慮し生活していたのだ。とはいえ今「山の人生」にある人々と全く同じように行動する必要はないであろうし、それはとても難しいことだろう。それでも山中に限らず絶えずものを消費し生産する日常生活を送る上で、同じように暮らしていた昔人の強い畏れの感覚は是非念頭に置いておきたいものと思う。

I hate when people in the cheap TV news show believe everything on earth is ours; humans'. According to Yanagida Kunio's "The Chronicles of Tohno", it tells Tohno people quit to use their trail to get to place to place in the closest way because they just "felt" it was occupied by supernatural existences, listening their voices and footsteps. I don't think all of us would be able to experience the same thing, but think we need to remain this account to make the world better.

Description
Spirited Trail
通りものの路

80x180cm, 2011
Oil, acrylics and cotton on panel
Private collection

Photo taken by MIYAJIMA Kei

テレビのワイドショー登壇者の発言などを聞いていると、現代には世の中の全ての物が人の管理下にあり、便利さのためには何でも人の都合の良いように加工されて然るべきとの考えを持つ人が少なくないらしい。しかし柳田国男の「山の人生」のうちの一章、「山人の通路のこと」によれば、日本の山中で働く人々の間には、一見山間を往き来するのに非常に便利そうに思われる道でも、夜中に必ず怪事があるとか、それは山鬼の路や通り物の路であるなどと言って、努めて通らぬようにする習慣があったという。実際に原生林や山腹を歩いていて突然感じる妙に生ぬるい空気や、耳鳴りがするほどの静けさ、聞き慣れない音などがそのような行動のもとになっているのかもしれないが、それだけ人々はこの世界に自分たち以外の、見ることもできないものの存在さえも意識して、絶えず配慮し生活していたのだ。とはいえ今「山の人生」にある人々と全く同じように行動する必要はないであろうし、それはとても難しいことだろう。それでも山中に限らず絶えずものを消費し生産する日常生活を送る上で、同じように暮らしていた昔人の強い畏れの感覚は是非念頭に置いておきたいものと思う。

I hate when people in the cheap TV news show believe everything on earth is ours; humans'. According to Yanagida Kunio's "The Chronicles of Tohno", it tells Tohno people quit to use their trail to get to place to place in the closest way because they just "felt" it was occupied by supernatural existences, listening their voices and footsteps. I don't think all of us would be able to experience the same thing, but think we need to remain this account to make the world better.